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焼畑移動耕作

焼畑というと環境破壊の負のイメージが強いのですが、きちんと管理すれば大変合理的な農法です。

持続的な農業を可能にする管理された焼畑は、アグロフォレストリーといえるでしょう。焼畑を大きく分けてしまえば伝統的焼畑と非伝統的な焼畑がありますが、アグロフォレストリーといえるのは通常伝統的な焼畑手法によるものです。
伝統的な焼畑は、代々の経験に基づき焼畑農業を農民の生活圏で移動しながら繰り返し同じ土地を利用する、利用できるよう地力の回復を待って繰り返し
森林の伐採→火入れ→耕作→放棄→自然な森林の回復→森林の伐採 を永続的に可能にします。

このように、きちんと植生が回復するまで放棄すれば、地力も維持でき、作物は農薬や肥料を使わなくても強くてよく育つ非常に理にかなった農法です。

途上国では人口増加等により、十分に地力が回復する以前に伐採し焼畑を繰り返したり、耕作期間を延ばしたりして土地を酷使することにより、土壌が流れ出し、もはや木が生えないはげ山にしてしまっています。これが非伝統的な焼畑ということになります。

 

伝統的な焼畑は、日本でも行われていました。「木場作(きばさく)」とよばれ、森林を焼いた跡にアワ,ソバ,マメなどの穀物を栽培していたようです。

宮崎県椎葉村では、今でも伝統的な焼畑を続けています。


関連ページ:

山あいの青空に昇る竜。椎葉村の焼き畑・火入れ ―世界農業遺産 高千穂郷・椎葉山地域の新たなとりくみ(2016 NHK地域づくりアーカイブス)

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