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雨と風から土を守る

農地防風林

琉球王府時代には官有林である杣(そま)山のほか、集落や農作物を台風や季節風による強風および潮風害から防ぐため、「ポーグ」と呼ばれる防風林、防潮林(抱護林)を禁伐区に指定し保護していました(根間、2007)。

それが第2次世界大戦中の破壊と戦後の農地拡張や乱開発により、多くが失われてきました。

今もなお、古い住宅街にはフクギ(Garcinia subelliptica)の木が赤瓦の古民家を囲むように植えられ、家を守っています。

このフクギの木、どんな台風にもビクともしません。

防風林の効果は、風下で高さの20倍まであるとされています。民家を守るように、近代農業においても農地防風林は土壌や作物だけでなく、グリーンハウス等の設備を守り、不要な支出や被害を抑えてくれます。

​石垣島においては、沖縄県で

みやらがわ地区農地防風林整備マスタープラン

が作成され、農地防風林の整備が推進されています。

​豊富な図や写真とともに、石垣島みやらがわ地区の農地防風林の現状から課題、整備計画、石垣島に適した植栽樹種、活動事例に至るまで紹介されていますので、ぜひご覧ください。  

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図 防風林の効果 概念図

生垣間作(アリークロッピング)

生垣間作は、防風林同様樹木を列状に植栽する形態ですが、防風効果を得るため樹木の高さを求め土地の境界に配置する防風林に対し、生垣間作は樹高を低く抑え、密植し、かつ農地内にも配置することにより、土壌の流出を小面積単位で抑制し、樹種によっては土地を肥沃にする効果を求めるところに違いがあります。

生垣間作は、防風林より樹木が配置される面積が多くなります。その分主目的の農作物を植える面積が少なくなります。そのため、生垣にする樹種は保護的な役割だけで選ぶより、付加価値が得られるような樹種を選ぶことにより、経済的なリスクを分散する事が可能になります。

例えば、ピタンガという果樹は石垣島でよく育ち、海外では生垣としても利用されています。日持ちがしないため、地産地消を考えれば適した樹種になります。観光客も島でしか食べられない果物に興味を持つかもしれません。

 

  

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